認知症について頭部MRI検査とVSRAD(ヴイエスラド)検査

頭部のMRI検査

MRI検査とは

強い磁場と電波を使って人体の断層像を撮影します。放射線被ばくがないという利点がありますが、大変強い磁石を使用していますので心臓ペースメーカーなど磁気に反応する金属が体内にあると検査を受けられない場合があります。

当院のMRI検査

当院では、主に頭部のMRI検査を行います。

検査を行う目的は、主に以下の2つです。

  • 現れている症状(例として不眠・物忘れ・頭痛など)が脳出血や脳腫瘍など認知症以外の原因で起きているものではないかを調べるため。
  • 認知症の種類(アルツハイマー型・前頭側頭型・血管性・レビー小体型など)の特定の補助とするため。

認知症の画像所見は、個人差がかなり大きく出血や腫瘍のように画像のみでの診断は出来ません。他の検査・問診・診察、全てを総合的に診ることで診断につながります。

当院では、1995年からMRI装置を導入。

2022年4月には装置を更新し、新しい装置(FUJIFILM製 1.5T)が稼働しております。

VSRAD(ヴイエスラド)検査

早期アルツハイマー型認知症診断システムで、MRI画像を用いる検査です。

アルツハイマー型認知症では、脳の中の海馬(かいば)周辺での萎縮がもっとも早期にみられます。専用ソフトを使用してMRI画像を解析することで海馬周辺の萎縮度を数値で表すことができ、アルツハイマー型認知症の早期発見につながります。

認知症に対する検査の有用性

  1. 臨床上(症状・各種テストなど)で認知症を疑う場合にMRI検査の所見も確認することにより、積極的な早期治療に結びつけることが可能となります。
  2. 定期的にMRIでフォローアップ検査を行うことにより、病気の進行具合や治療効果などを確認することができます。